浸透圧って高校の化学に出てきたんですが覚えてらっしゃいますか?
濃度の違う水溶液が半透膜で仕切られると濃度の薄い溶液から濃い溶液へ
水が引っ張られて水位が変わって行くんですね…
「水を引っ張る力(親水性)の差」とも解釈できます。
水位を圧力で換算したのが有名なファントホッフの式 P=MRT!
これって水に溶けている成分の種類に全く関係ない式なんですね、モル濃度Mだけ!!
単純なようで凄い式が成立するもんです。
どんな物でも100円で売っているダイソーみたいな公式ですね、ちょっと違うか…
私はこれに嵌って化学にのめり込みました。
・・・例によって誰も何故そうなるか教えてくれませんでしたが?
食塩の1モルは58gですが水中で塩素イオンとナトリウムイオンに分かれるので実質上1Mは29gとなります。
それに対して砂糖1モルは342gです。
つまりファントホッフの式に従うと食塩29gと砂糖342gの浸透圧が同じなんですね。
食塩が水を引っ張る力は砂糖の12倍もあります。
梅干が砂糖漬けでなく塩漬けである理由がお分かりいただけたと思います。
・・しかも、砂糖は1分子中にOH基が8個もあり常識的には親水性がとても高い化合物です。
親水性は決してOH基の数に依存していないことが身近な例でわかります。
上の例で「塩素イオンとナトリウムイオンに分かれる」とご説明しましたが、
私見ではこれがイオンの水を引っ張る力の源泉ではないかと思っています。
つまり1人2役(2価イオンの場合は3役も)することにより浸透圧に寄与するモル濃度Mが自然に増えるのですから。
当社得意のナフィオンは高分子鎖に2価のイオンであるスルホン酸SO3・2?がぶら下がっていますが
これの対イオンとして2個の水素イオンH+が必ずその近くに付き添っています。
つまりモル濃度の計算上は1人3役をこなしているんですね。
逆に、たとえばカルシウムイオンCa2+が存在するとイオンでなくなって急速に親水性を失います。
(スルホン酸の親戚の)硫酸はカルシウムイオンと反応してイオンになりにくい石膏に
なることが有名ですから「イオン性を失うと親水性も失う」ということで逆説的この現象も
「イオンが親水性の源泉」という説を裏付けています。
また後で詳しくご説明しようと思っていますが、シリカやシリケートの親水性の原因である
シラノールSi?OHも結局単純なアルコールではなく「ケイ酸」というくらいで
Si?O?とH+に電離しますからイオン性で、アルコール性OH基よりは親水性が強く出ます。
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