サラリーマンのときに印刷刷版の製造プロセス開発もさせられたんですが
(・・・ホントに何でもさせられたなぁ)これはアルミシートにUV感光樹脂を塗ったものです。
インキが乗ってはいけない部分は超親水性を保たねばならないのですが、そのためにアルミを
アルマイト処理して更に「封孔」といってアルマイトの表面を水酸化アルミに変性させます。
そりゃあ、きれいで見事な親水性を発揮しますね・・・長続きしませんが。
古びたアルマイトの鍋を見てもわかるように、アルマイトの酸化アルミ層A?2O3は
水酸化アルミA?(OH)3からアルミン酸になって次第になくなっていきます。
つまり親水性の高い化合物や材料は水溶性もあるので水に溶けていく現象を伴います。
有機物はとくにそうでしょう?
水性やエマルジョン系塗料で耐水性を出すのは実に至難の業ですね。
因みに水酸化アルミが親水性を示すのはA?OHのOH基だと思われていますが
正確にはA?O―とH+つまりこれはイオン性の官能基なんですね。
非電離のアルコール性OHとちょっと違って水を引き寄せる力が強い!
酸化チタンもそんなに親水性が高ければ究極的にはチタン酸Ti(OH)4にでもなって
表面から順に水に溶け始めるはずですが・・・そんな現象は起こりません。
また「親水性」って言ったらみんな判で押したみたいに「表面にOH基があるから・・・」と
OH基のせいにしますが、これはちょっとおかしいです!
まるで親水性基がOH基しかないような口ぶりです。
そもそも例えばn-ペンタノールのような炭素が5つしかないアルコールでさえ水には溶けにくくなりますから
換言すればアルコール性OH基は炭素5つを水の中に引き込む力もありません。
親水性とはすなわち水を引っ張る力ですから、例えばステアリン酸なんて炭素が18個もある化合物が
堂々と水に溶けているのですからカルボン酸基のほうが格段に強烈な親水性を出せるということになります。
つまりイオン性官能基ですね。
・・・ここまで考えて親水性と浸透圧を結びつけることを思いつきました。
最近の私の講演は専らこの内容でやってます。
ご興味の方はたまに私の名前があるかご確認下さい。https://www.gijutu.co.jp/doc/s_chm0910.htm
その話をしだすと「なぜ梅干は砂糖漬でなくて塩漬なのか??」などと益々光触媒とは離れていくような気もしますが・・・
脱線すると聴講される方もなぜか目が輝きだします。
Copyright (C) PIALEX. All Rights Reserved.