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酸化チタンは顔料なのか光触媒なのか?(その2)

酸化チタンに光線を当てると表面で電気化学反応が起こることは
1968年の「本多―藤嶋効果」の発見以来、よく知られるようになっていたのですが、
まあ要するに電気化学反応の一種なんですね。
だから電極で反応が起こります。電極をつぶすと反応が起こらなくなるので「耐候性の良い顔料」としては
非常にジャマなこの光触媒反応の電極をつぶすことに顔料メーカーは血眼になっているんです。
電極って、どこにあるのか?
別にヒラヒラ白金の箔が付いているわけではなくキンク位置
(さすがにこんなマニアックな専門用語はWikipediaにありません・・)
・・・という話をすると長くなるので、つまり酸化チタン粒子の表面に遍くあります。
だから電極をつぶすということは表面を不活性膜で薄く覆ってやるのが一番簡単な方法です。
ちょうど、リンゴの表面をその皮が覆っているように・・・

リンゴ

 

 

 

このリンゴの皮の材質には?シリカ?アルミナ?ジルコニア の3種類が有名ですね。
とくに?が古くからの耐候性実績もありよく用いられますが。
リンゴの皮の層は(ヘルムホルツ層といいますが、なんとこれはWikipediaにありました!
こんなん書くヒトいるんですねぇ・・・)
ラジカル等の過酸化物が直に湧いてきて一番反応が激しく起こるんですがそれによく耐えて、
しかも過酸化物が外に漏れないように抑え込んでしまいます。
あれれれれ???
シリカ(シリケートの硬化後の姿)って確か光触媒用のバインダーとして使われてきたんじゃあ??
という場外の声が聞こえてきそうな気がしたのは私だけでしょうか。
つまり、シリケートを光触媒のバインダーとして採用することにとてつもなく大きな矛盾を感じてしまったのは
私が運命のいたずらで塗料メーカーに入ってしまったからでもありました。
ちなみに「リン酸チタニア」とか称するこの世に存在しない物質で効果を謳う製品にも矛盾を感じていますが・・
まあ、こっちはあまり大きな問題ではないか・・・
2009年7月28日 9:58 PM
カテゴリー: Blog
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